しばらく前の話になるが、フジTVの「直撃!!ウワサの5人」という番組を観た。その中で「~アンビリギャル~」という、コギャル(既に死語になりつつあるが……)の信じられないような実態を紹介し、実際にゲストに多数のコギャル達を迎え、みんなで笑いものにするというコーナー(間違ってる?)が放送されていた。そのコーナー自体はまあ、良くあるパターンである。
しかし「使用済み下着や靴下を売って小遣いを稼ぐコギャル」に対して「何故売るのか」と訊ねると、「おじさんとかが○万円くらいで買ってくれるから」と女子高生。その答えを受けて、司会の和田アキコは男らしく次の一言。
「それは大人が悪い」
そしてコーナーは終わった。
そのとき男爵は、和田アキコのこの一言に少々疑問を感じた。大体、良識ある大人が軽々しく「大人が悪い」などと口にしてはいけないのだ。
馬鹿なガキはすぐ他人の所為にしたがる。「俺達をこんな風にしたのは世の中が悪いんじゃん」などと助長するだけだ。それに、こういう問題は必ずと言ってよいほど「売る側が悪い」とか「買う側が悪い」といった堂々巡りの議論に還元される。売買春やドラッグの問題と同じだな。
女子高生 「使用済み下着売って、なにが悪いの?」
大人 「悪いもへったくりも……そんなことをして恥ずかしくないのか!」
なんていう会話がスグ想像できると思うが、結局「羞恥心」の問題なわけですよ。これは。
確かにそういう意味で「大人」には子供達に、「羞恥心」という奥ゆかしい価値観を育んでやれなかった教育上の責任はあるだろう。しかし、もしそう思うのであれば尚更「大人が悪い」などと言ってしまってはいけない。
世の中には大人達による「不正」や「悪意」に満ちていることは否めない。しかしそんなことは子供の社会だって一緒なわけですよ。
子供達だって、常に「子供社会」の中で不正や悪意の餌食になる危険にさらされている。いじめ問題を考えれば明らかだろう。だからもし良識ある大人としての責任を感じるのであれば、むしろ
「お前らが悪い」
と言ってやるべきなのではないか。