タラちゃんブルース

先日のサザエさんをご覧になっただろうか。

4月という時節柄、新入社員や新入生に関した話であったのだが、その中で些細だが看過することのできない事件がおきた。それは、永久不変なサザエさんワールドの矛盾に真っ向から対峙する、重大な疑問が投げかけられたのである。

磯野家の夕食。いつも通りのちゃぶ台を中心とした家族団欒で「新入社員」や「1年生」に関して話が弾む。

そして、その夜。タラちゃんが布団の中で尋ねる。

「ボクは、あとどのくらいで一年生になれマスカ?いくつ寝たらなれマスカ?」

言葉を失うサザエ。

男爵の心の中にこだまする、「タラちゃん、君は決して一年生にはなれないのだよ。何回寝てもなれないのだよ」という憐れみの声もブラウン管の向こうに届くはずはなく、深い眠りについてしまうタラオ。

ピカピカの一年生になった自分を夢見ているかのごとく、うっすらと微笑を浮かべ、安らかな眠りにつくタラオの姿。

悲しい話ではある。

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