「輝く!日本ブログ大賞2005」に色々批判の声があがっているらしい。
多くは要するに運営方法や企画の安易さを批判したもので、「崇高な理想」を掲げておきながら、結局「大賞」は選出されず、適当な「部門賞」をたくさん選出して「はいお終い」というグダグダ感に腹を立てたもののようだ。
それから、そもそも「ブログというメディア」に中央集権的な「権威付け」のイベントは向かない、といったような批判も目にする。
僕はこれらの批判を読んで、「ボツの杜事件」を思い出した。インプレスが運営しているオンラインソフトウェア紹介サイトである「窓の杜」が、以前「ボツの杜」というコーナーを開設していたことがある。これは窓の杜への正式掲載を見送られた「あと一歩」的なソフトウェアを紹介するコーナーだった。
「ソフトウエアをユーザー側の視点で評価するというスタンス」といえば聞こえはいいが、オンラインソフトウェアのうち対価を求めない「フリーソフトウェア」に対してもそのコーナーで批評し、開発者の尻を叩くような内容であった。そのため一部のフリーソフトウェア開発者から反感を買い、「窓の杜転載禁止」というボイコット運動まで起こる事態となってしまった。確か ’97~’98 頃のことだったと思う。
要するに「ボツの杜事件」はフリーソフトウェア開発者に対する配慮のなさ、もっと言えば「過剰なプライドから権威を振りかざしている」ともとられかねない振る舞いが原因だったわけだ。
実はこの「ボツの杜事件」を想起した段階ではまったく気づいていなかったのだが、さらに調べてみると、どうやら今回の「輝く!日本ブログ大賞2005」もインプレスが主催していたらしい。
インプレスはあの騒動から何も学ばなかったのだろうか……。