悲しみと向き合う日々

この2ヶ月、本当にいろいろと大変でした。

6月の中旬、妊娠中の妻が妊娠高血圧症という診断で入院してしまいました。僕はもうすぐ3歳になる息子を世話したり、たまに仕事が遅くなりそうな時や出張時には実家に息子を預けに行ったり、妻を見舞いに行ったり、週末にまとめて家事をこなしたりと地獄のような日々が続いていました。しかし7月の末には妻の症状も大分落ち着き、ひょっとしたら一旦退院して外来で様子を見ていこう、といった方向性がでてきて少し安心していたところなのです。

が、7/31未明に事態が急変してしまいました。突然入院中の病院から電話がかかってきて、妻の様態が突然悪化した事が伝えられました。救急車で都内の大学病院に搬送され、緊急で帝王切開となりました。

しかし残念ながら赤ちゃんは助かりませんでした。

950g程の女の子。僕たちは、一度も産声を上げることなく天国へ旅立ってしまった娘に「蓮菜」と名付けました。病院のはからいで何度か抱かせてもらうこともできましたが、そのたびに腕の中で冷たく動かない娘に謝っては泣きました。

担当医の話によると原因は常位胎盤早期剥離によるものだそうで、妻の方もDIC(播種性血管内凝固症候群)という状態に陥っていました。非常に危険な状態だったとのことでしたが、治療の甲斐あって命は取り留めました。もう少し処置が遅かったら妻も危なかったということです。そんな妻も術後9日間の入院から無事に退院し、娘の遺骨と共に帰宅しました。

しばらく寂しい思いをさせてしまった息子も我が家に連れて帰り、徐々に以前のような笑顔のある生活が戻ってきています。しかしまだ二人ともショックから立ち直ることができておらず、ふとした拍子に襲ってくる悲しみに押し潰されそうになり、しばしば沈んでしまうこともあります。そんなとき、空気を読まない息子が馬鹿な事を言い出したり、滑稽な踊りを披露したりすることで思わず笑顔がこぼれます。2歳児なりに両親を気遣ってくれているのかもしれませんが、そんな息子の存在がとてもありがたく思えます。そしてありふれた表現ですが、もちろん身を呈して妻を助けてくれた娘にも感謝しています。

そんな息子や亡き娘のためにも、傷ついた妻を全力で支えつつ一日も早く元の生活に戻れるように努力したいと思います。

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