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Sexx Laws
Nicotine & Gravy
Mixed Bizness
Get Real Paid
Holywood Freaks
Peaches & Cream
Broken Train
Milk & Honey
Beautiful Way
Pressure Zone
Debra
Arabian Nights*
『人生はダンスなんだよ。這うためにあるんじゃない』(ベック・ハンセン)
ファーストアルバムを出した後バンドを組み、たったの2週間でレコーディングしたアルバム『オデレイ』は初期ヒップ・ホップやブラジリアン・ミュージックを基調にした快作だが、そこですでにレコーディングされていたにも関わらずアルバムからはずされたデボラ(M11)でオールドR&Bの郷愁を漂わせる。
田中宗一郎氏がライナー・ノーツにおいて、ヒップホップミュージックがパンクのスピリットを起爆剤としてきており、パンクもその出自において常にファンクネスと共にあったこと、そしてパンクから出発したアーティストのその大半が90年代においてファンクへと回帰していることを指摘しているが、ターンテーブルやサンプラーを駆使して作り上げられたファーストアルバム『メロウ・ゴールド』から現在に至るまで「ルーツミュージックへの回帰」というスタンスをとりつづけているベックが作り出した今回のアルバムには、ファンクミュージック、R&Bへのリスペクトがひしひしと感じられる。
果たしてベックはここからどこへ行くのか。ファンクやR&Bからブルーズ、フォークミュージックへと更なる回帰を目指すのだろうか。非常に楽しみである。