にほいデバイス

“匂い”は、非常にヴィヴィッドな感覚ではなかろうか。

確か2年程前、友人とこんな話しをしたことがある。VR(仮想現実)技術に関して雑談していた時のことだ。

VRを実現する手段としてHMD(※1)や裸眼立体視ディスプレイによる立体視、擬似3Dサウンド、入力用のセンサーグローブ(※2)、それにフォースフィードバック系(振動によって物に触れたような感触を疑似体験させたり、仮想物体の重さや固さによって応力を擬似的に発生させる)デバイスなどの技術が登場してきている。

それらによって、「視覚」「聴覚」「触覚」は疑似体験できる環境が着々と整いつつあるが、「嗅覚」や「味覚」についてはおざなりになっているのではないか。それは、VRというものを考えるうえでは片手落ちなのではなかろうか。

そこから、特に「嗅覚」について話は進む。

以前から男爵は、「嗅覚」という感覚に関してはなにか特別なものがあるような気がしてならなかったのだ。「嗅覚」だけ他の感覚と違う何かが。

もう少し具体的に言うと、「嗅覚」は他の感覚に比べ、人間の本能に訴えかける部分があるような気がしていたのだ。

例えば時々、そこにあるはずのない「匂い」がフラッシュバックする経験はないだろうか。男爵の場合は、「匂い」とともに、「記憶」もよみがえってくることがある。何かの拍子に、非常に印象深い「匂い」とともに、その匂いに関する「記憶」が甦ってくるのだ。また、実際に「匂い」を嗅いだ場合にも同様であるし、逆に「記憶」とともに「匂い」が甦ってくることもある。

そんなわけで、「やっぱり“匂いデバイス”作ろうぜ」などと笑って話していたのだが、しばらくしてこんなニュースが飛び込んできた。

「香りを出す周辺機器技術」を、開発

DigiScents社は iSmell という香りを合成する装置を開発。PCに接続してバナナの画像をクリックすればバナナの香りが漂ってくる。iSmell には「匂いの素」となるカートリッジ(インクジェットプリンタのカートリッジのようなもの)を組み込むことによってあらゆる香りを合成/再現する。

このニュースを聞いたときは「ああ先を越された」と思ったのだが、まあ恐らく思いついたのも向こうが先だろう(苦笑)

そんな“匂い”について、最近読んだ本に面白いことが書いてあったのだが、長くなったのでまた次の機会に。

(続く)

※1
Head mount display の略で、ゴーグルのように頭に固定して使用するディスプレイ。左右別々の映像を出力できるものであれば、立体視が可能となる

※2
手袋のようなものにセンサーをつけ、手の位置や指の折れ曲がり具合などを検出できるようにしたもの

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